ワインのお店

ベルギー醸造所紀行 Vol.4

Brussel/Bruxelles(ブリュッセル)Cantillon(カンティオン)醸造所を訪問しました。ベルギーの首都(ブリュッセル)市内にある醸造所で、グース博物館として観光スポットにもなっています。
カンティオン醸造所は1900年から続く家族経営の醸造所で、ブラッセル近郊でのみ生息する野生酵母を使用しビールの醸造をしています。800種類と言われる個性豊かなベルギービールの中で「ランビックビール」に分類されるビールです。ランビックビールは自然酵母を利用して造られたビールで、グースはランビックビールをブレンドして造られたビールを指します。

醸造所内には日本語の見学のリーフレットも準備されており、醸造工程の見学が出来ます。見学後はカンティオンビールの試飲ができます。5~6ヶ月間熟成した若いランビックを30%と1年~3年間熟成した古いランビックをブレンドした「カンティオン・グース」や2年間熟成した古いランビックに5~6ヶ月間熟成の若いランビックを30%ブレンドしオーク樽の中にさくらんぼを入れ6週間熟成した「カンティオン・クリーク」などがありました。グースは酸味の効いた清涼感あふれるビールで、とても個性的な味わいです。クリークはさくらんぼの香りが加わり甘酸っぱい香りが印象的でした。どちらも初夏から夏に楽しみたいビールです。スパイスの効いたお料理やトマトにバルサミコソースをかけたサラダなどと楽しみたいです。醸造所内ではカンティオンビールやグッズなども購入でき、オーナー家族がカンティオンの魅力について丁寧に語ってくれます。

ゲント(GENT)
ベルギー東フランダース州に位置するカール5世の生誕地ゲントは運河が美しい町です。運河沿いには中世の建物が立ち並び、聖ミハエル橋から見える町全体の眺めもゲントの魅力のひとつです。またベルギー名門のゲント大学の大学町としても知られています。ゲントのお薦めビアスポット(ショップ・カフェ・スーパーマーケット)をご紹介します。

De Hopduvel(ホップデュベル/ビアショップ)
2001年創業のビアショップで、coupure Link ローズマリー橋の運河沿いにあるスポーツジムのアーチをくぐると中に倉庫風の建物があります。
店内はベルギービールがぎっしりと並び、ゲントの地ビールが充実・限定ビールや季節物のビール・パーティーボトルもあります。各ベルギービールのグラスやベルギービールマップ・ポスターなどもあり、ギフトも充実しています。地元のビアカフェ・レストランの人達の仕入れをする姿が目立ちます。先日Belle-Vue Kriek primeur 2007(ベルヴュークリーク プリムール)さくらんぼビール2007年の初出荷ビールを見つけました。さっそく購入し楽しみました。アルコール3%のピンク色をしたさくらんぼの香りいっぱいのビールで、旬のいちごと楽しみました。カクテル感覚で飲めるビールでベルギーにはこの他木苺・バナナ・チョコレートなどいろいろなフルーツ・ビールがあります。旬のベルギービールに出会えるお店です。

Cafe Leffe(カフェ・レフ)

ゲント市内にはビアカフェ(ビールのみ)やカフェが点在し、気軽にベルギービールを楽しむことができます。
ゲントの最も有名な観光スポット「聖バーフ大聖堂」広場にあるCafe Leffe(カフェ・レフ)はレフビール全種類がリストされています。レフ・ブロンド・ブラウンの樽生・ラデュース・ヴィエーユ・キュヴェをオープンテラスで味わうことができます。ベルギーカフェで人気のパンケーキ(クレープのこと)などのデザートも充実しているカフェで、それぞれのスタイルで楽しめます。

Kaffee De HopDuvel(カフェ デュ ホップデュベル)

Rokerelsstraatにあるカフェで、以前はビアショップ・ホップデュベルがオーナーでしたが、現在はオーナーが変わり経営をしています。 
路地にあるこの店の立派な木のドアを力一杯開け入ると外からは想像できない広い空間が現れカウンター・中庭テラス・個室と様々なシーンでベルギービールを楽しむことができます。壁にかかったヴィンテージのベルギービールの看板やアンティークのグラスも必見で、オーナーのこだわりが随所に感じられます。ベルギービールリストの種類の多さに驚きます。タイプごとにリストされており、お気に入りの1本を探すことができます。
ここでベルギービールの最高峰シント・シクステュス修道院ビールWestvleteren(ウエストフラーテン)に出会うことができました。Westvleterenに行かないと飲めないと言われている生産量が極めて少ないベルギーでも希少価値のビールです。さっそく飲んでみると、琥珀色のにごりビールで、グランヴァンの赤ワインのようなまったりとした味わいに驚きました。
飲むごとに表情のある味わいのビールに出会えて幸運でした。

Delhaize(デルヘーゼ/スーパーマーケット)
19世紀から続くスーパーマーケットで、選りすぐりのヨーロッパ食材がそろいます。旬の素材・食材が充実し、ベルギービールコーナーの充実ぶりもさすが本場です。それに加え修道院チーズ・ヨーロッパ内のワインも豊富にあり、食の遊園地のようなスーパーです。

Spa(スパ)
私が訪れたベルギーで最も印象的だった町スパをご紹介します。
アルデンヌの森(ワロン地方)にある人口わずか9,000人の町ですが、温泉やベルギー・スパサーキット・ワロンの食・美味しいスパのお水を堪能できます。
スパ(SPA)=温泉の語源にもなっているこの町はベルギーの奥座敷といわれ、18世紀から欧州の王室が利用していた由緒ある静かな温泉保養地です。ここでしか味わえない地ビール「Bobeline」はラベルが印象的なブロンドビールです。アルコール8.5%としっかりした味わいの中にスパイスが溶け込みバランスのとれた味わいです。ビストロ・レストランで、アルデンヌ・ハム、ジビエ(gibier/秋から冬の狩猟料理)やカワマスとともに地ビールを楽しむことができます。
スパの町はそぞろ歩きも楽しく、美味しいパン屋さん・ベルギーのチョコレート大使 Janphilippel Darcis(ダルシス)カフェなどもありベルギー国内では珍しく日曜営業のスーパーが揃っています。この小さな町のお店は笑顔あふれた挨拶がとても印象的でした。
またいつか訪ねたい町のひとつです。

今後もいろいろな町のベルギービールに出会いたいと思います。
皆様もベルギーへおでかけください。

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